一緒に行くはずだった恋人と別れたのはほんの2週間前。
もう半年ほど冷(さ)めた雰囲気だったけれど、決心させてくれたのもこのライブのチケットだった。
自分の趣味をわかってほしくてライブに誘ったわけじゃない。
離れかけていたあいつの心をもう一度だけ振り向かせたくて……そういうきっかけがほしくて買ったチケットだった。
「ピアノだけのライブかぁ……」
チケットを見、あいつは視線を落とす。
返ってくる言葉は予想はついていたけど、私は別の言葉を心のどこかで期待していた。
「誰か他の人と行きなよ」
そう言い、窓の外を眺めている。その仕草が、もうあいつの心の中に私の居場所がなくなっていることを表しているようだった。
次の日、私はあいつに別れを切り出した。
もう半年ほど冷(さ)めた雰囲気だったけれど、決心させてくれたのもこのライブのチケットだった。
自分の趣味をわかってほしくてライブに誘ったわけじゃない。
離れかけていたあいつの心をもう一度だけ振り向かせたくて……そういうきっかけがほしくて買ったチケットだった。
「ピアノだけのライブかぁ……」
チケットを見、あいつは視線を落とす。
返ってくる言葉は予想はついていたけど、私は別の言葉を心のどこかで期待していた。
「誰か他の人と行きなよ」
そう言い、窓の外を眺めている。その仕草が、もうあいつの心の中に私の居場所がなくなっていることを表しているようだった。
次の日、私はあいつに別れを切り出した。