「……ぅなっ!友奈っ」


「……え?」


「あー、よかったぁ…
友奈、トリップしてんだもん」


「ごめん、ミナ子」


「んじゃ、あたし行くわ~」


バッシュを持って、ミナ子は階段を駆け降りて行った。



ミナ子の足音が消えて、誰もいなくなった3階には、いつもの面影さえも無くなっていた。







―――カキーンッ

特別校舎の向こう側から、バットでボールを打つ音。


きっとこれはソフト部か野球部。





―――ピーーッ



これはサッカー部の試合終了の笛の音。






…なんだかあたしの心も、ゲームオーバーだ。