親友に、好きな人盗られて
“ムカついてない”
なんて言ったらウソになるけど、
心の底から願っている、確かなものは
“ しあわせになってほしい ”
だけだった。
偽善、と思われても
それさえ、どうでもよかった。
あたしは、幸せでは無かった。
学校なんて、大っ嫌いだった。
でも、
『 友奈 』
あたしを名前で呼んでくれるのは、
唯佳、だけだったから。
だから、唯佳にだけは。
唯佳だけは、あたしと同じ様な地獄を見せたくない。
・・・見せたく、ないんだよ・・・
あたしは、ケータイの番号をひとつずつ押した。