「アレ?そういえば知ちゃん?」


「何だよ?」


知ちゃんはため息まじりに答える。


「何で知ちゃんエプロン着てるの?」


「ギクー」


私は知ちゃんの着ているエプロンを
指差した。

無地のオレンジで、知ちゃんに
ちょっと似合う。

「こ これはその」


「兄ちゃんはなーいっつも俺のメシ
作ってくれてるんだよー」


え?


「ちょー美味いのー」


ん?


「姉ちゃんも食べるー?」


「ああ──っ!!お前ら!!」


って事はつまり…


「知ちゃん?」


「…はい…」


知ちゃんは部屋の隅に
隠れている。


「知ちゃんって…主夫なの?」



「……」


無言の後、静かに


「はい」と言った。