「おまえ、優秀な補助系の使い手なのに……

おまえがいるといないじゃ、大違いだ」


そんなことしか言えない自分が何だかもどかしかった。


ルカは、困ったような笑顔を作ると、肩をすくめる。


「母さんはオレがどんな魔法が得意かなんて、知りやしないよ。


……そもそも、魔道なんて、母さんにとっちゃ無意味なんだ。

オレが魔道に秀でてるかどうかなんて、長い間知りさえしなかったんだから。

知りたくもなかったんだろうよ。


母さんは、オレが弟妹の世話を焼いて、家を手伝って……

自分の言うことを聞き、自分の思い通りに動いてるときだけ、機嫌が良かったよ」


「……」


「オレが何をしたいかなんて、母さんには関係ないんだ」



ルカの複雑な感情が、じわじわとオレに浸透してくる。



「……悪ぃな。

突然こんなこと言って。

女々しいって笑ってくれよ」


ルカは口元だけで奇妙な笑顔を作った。