いくら
あの女だって
悲しむだろう泣くだろう‥
だって唯一の居場所が
無くなるんだから。


そう、いつも
留乃は行くところ行くところに
愛想つかされて
結局は僕が面倒を見るんだ。


僕が居なくなったら
彼女は困るんだ、泣くんだ‥
そう思ったら嬉しくて
堪らなくなり
つい声に出して笑ってしまった。


それから
ふらふらと洗面所に向かい
剃刀を手にとりお風呂場に行き
手首にぐっと剃刀を当てた。


そして引く‥


剃刀を横に少しずらした瞬間
頭の中に一瞬でグロテスクな想像が
一杯に広がった。