僕は留乃の方へ
椅子を移動させて近づく。
「何‥」
するといきなり
留乃はリモコンを僕の耳に
押し当てた。


「うわっ‥」


リモコンからは音が流れていて
それをぴったりと
当てられたもんだから
耳がキーンとなった。


どうやら
病室のテレビは
他の部屋へ迷惑が
掛からないように
リモコンから音が出るらしい。


「ふはっ」
留乃が得意気に笑う。