「あー!これが良い!」

自販機に駆け寄り
留乃が大声で叫ぶ。
周りが一斉に此方をみる。


僕は留乃の方に駆け寄り
「どれ‥?」
とズボンの後ろポケットから
財布を出す。


留乃は嬉しそうに
指差すのはビタミンサイダー。


「留乃‥これ‥」


留乃は炭酸が嫌いだ。
嫌いだというより
嫌いだった。


「炭酸飲料だよ?」


留乃は僕の言うことなんて聞かず
「これがいー!!!!」と叫ぶ。
周りが見ないでも
此方を見ているのがわかる。


「はいはい‥」


僕は財布から
小銭を120円取り出すと
一枚づつ入れた。