留乃の顎をクイッと思わずあげる。
すると僕を見つめる留乃の目は
少し戸惑い、怯えてるようにも
見えた。


我に返った僕は
パッと留乃から手を離す。


しばらく
重たい空気が流れる。


そうだ。
留乃は記憶が無いんだから
こんなことしたら
おかしいんだ。


素早く頭の中を
整理する。


留乃は僕の前に
たたずむ。


「ごめん‥」
と小さく僕は呟く。


留乃は
大きく首を横に
ブンブンと降った。