とつい口を出すと
先生は
「その可能性が高いです。
何しろ頭を強く打っていますから‥
明日詳しく検査してみましょう。」
と言った。


「留乃‥」


病室に戻ると留乃は
嬉しそうに
「タカハシさん !」
と僕に寄ってきた。


俺が険しい顔をしたんだか
留乃は
「思い出せないの‥変?」
と聞いてくる。


はっとなって
僕は留乃を見る。


「本当に覚えてないの‥?」
と聞くと留乃は
静かに頷く。


黙り込む僕に留乃は
「夢見た!」と言う。
嬉しそうな留乃。


まるで‥


まるで
僕みたい。