イスカ-13が、太平洋上に落下したとオペレータが電話で教えてくれた。

ジョーは、携帯をしまって、左目にかけた眼帯のズレを直した。オペレータは、報告のあとにこう付け足していた。

「あのあたりの海は、おだやかで、珊瑚礁も綺麗ですよ」

フランシーヌは、海に行きたがっていた。

彼女が眠る場所には、ふさわしい、とジョーは思った。

最初からわかっていた。

彼女を止めるなど、誰にもできるはずがなかったのだ。

うなだれた軍務総長には、かける言葉がなかった。

たとえ、心のどこかでは止めてほしいと思っていたとしても、それ以上に、彼女の意志は強固だったに違いない。