地上での絶望的な最終戦争後に予想される人口の激減と、遺伝子の崩壊を救い、種の絶滅をくい止めることができるかどうかは、この母子の経過にかかっていると言っても過言ではない。

「相変わらず、遅い朝御飯ね」

優しそうな青い瞳をした若い母親、マリアが、ジョーの向かい側の席に腰を下ろした。

シオンは、ジョーとマリアの間の椅子に、よいしょよいしょとよじ登る。

その仕草が、一生懸命で愛らしい。

赤いリボンで結ばれたちょんまげを揺らして、シオンはやっとのことで椅子に座った。

とても満足そうな顔で、ジョーを仰ぐ。

その青い瞳が「誉めて誉めて」と言っていた。

「凄いな、シオン。もう一人前のレディだね」