「ねぇ、ジョー。あたしもドクロに見えるの? オトナになったあたしの顔は見えない? きっと凄い美人になると思うんだけどなぁ」

洗い物の手を休めて、フランシーヌはまっすぐにジョーを見上げた。時を映すジョーの左目には、今は包帯が巻かれている。

「それが、君の場合は、よくわからない」

ジョーは、本当のことを言った。

「え? どうして?」

「オトナになった君は…残念ながら見えなかったけど…。そう。でも…。なんだろう…。赤い、炎のようなものが見えるんだ」

「えぇ? なにそれ?」

笑いながら、フランシーヌは壁の時計に目をやった。

八時を少し回っている。