失明はしないだろうと医者が言った。

視神経が無事なので、破裂した水晶体その他の目のパーツは、義眼で代用できるそうだ。

回復したとき、能力が残っているかどうかは断言はできない、と医者は付け加えた。

「もし、時間を視ることができなくなったら、オレ、ここに居る資格ないっすね」

冗談まじりに言って、ジョーはいつものように笑った。

それでも、包帯を巻いた生活は快適だった。

視ないという勇気を持つことも大事だったかもしれない。