「戦略衛星?」

フランシーヌは、かすかに目を細めた。

「確か、連合の、13…。イスカ-13って言ってた。イスカって鳥の名だったかな…。赤い、小さな、スズメみたいな…」

「イスカ-13…」

フランシーヌはつぶやいた。

反戦運動をしているのはダテではない。

幼くして博士号を取得できる知識量も膨大なものだ。

「イスカリオテ、ナンバー13…。反逆の使徒…」

ジョーは、そっとフランシーヌのほうに首を動かした。

「知ってるのか?」

「知ってるもなにも…。二十一世紀の恐怖の大王と畏れられた悪魔の衛星よ。それをハッキングですって? 迎撃システムは殺せたのかしら? 簡単に映像を盗むなんてできること自体、罠かもしれないわ。パパがそれを知らないはず、ないのに…」