彼女は社内でも評判の女性だった

新人の頃から、容姿で注目を集めていたが、仕事に対しての姿勢やほがらかな愛想の良さに、僕は惹かれていた
いや、もちろん美しい容姿にも…

どことなく、あか抜けない雰囲気を持つ彼女は、同年代のそれとは明らかに違う

幼年、少年時代はともかく、学生時代の大半を学問に費やし、交友関係はもっぱら《モニター》の中だった

コンピュータの中では自分を維持し、文字だけが自分を具現化してくれた

大学の頃に一度彼女が出来た

美人で清楚な雰囲気を持つ女性だった
…が、会った事はなかった…

僕は彼女からの添付画像で彼女の容姿を知っていたが、
彼女は僕の顔も知らなかった

僕はおかしな容姿ではなかったが、さらに良く思われる為に、別の人間の顔写真を彼女に送っていたから…

彼女は『カッコイイね』と言ってくれていた

少し心が痛んだがいたしかたない…