微かに聞こえるやりとり…

肩を支えられてホテルから連れ出された

―あぁ、よかった!彼女一人だけ足がないんだよ もうみんな帰って……さんだけなんだよ残ってんの 頼めないかな

誰かが誰かに私の事頼んでくれてるんだ…
家、説明出来るかな…
酔いに支配された頭は、躊躇するのも忘れていた

―あ、いいですよ

誰かが了承してくれたようだった

―ふいまへん…酔っぱらっへまふ…

ふざけたような挨拶をして、一台の車の助手席に座る

友達の事を心配するのも忘れ、ぼっとしてる間に車は走り出した

―……はどこ?

―へっ?

―家はどこなの?

―えっと…

家の場所を告げようと顔を上げた時、

私の酔いは思考を取り戻す…


と、同時に睡魔と酔いにかきけされていた感覚が再び全身にかけ巡った…



あの人だった