ただぶつかっただけ…

偶然に体が触れただけ…

何て事はない一瞬の出来事に…偶然あんな所に当たったから驚いただけ…そう繰り返しながら、私はみんなの待つ場所へ戻った

すでにそこには数人の男性が二人を囲み、話が弾んでいた

―おかえりぃ 遅かったね

―どうせ彼にメールでもしてたんでしょ

そう言ってからかう二人の様子に気づき、

―はじめまして 一緒に飲ませてもらってます

と、一人の男性

―彼居るの?なんだぁ、人目惚れだったのにぃ

と、もう一人

どちらも軽いノリ…

とは言うものの、差し出された名刺は、どちらも《代表取締役》の肩書き

(さっきの人もどこかの社長さんなのかな?)