ちょうど私達が腰を下ろした時、二人の男性が此方を指差し、少し怖面の方が部下?のような男性に何かを話しているのが見えた

気になりつつも、あまり見ているのもどうかと思い、目を反らした
ふと気付くとさっきの男性が、コルク抜きとグラスを3つ持ってサイドテーブルにそっと置いた

《さっきの人だ》

―あ、ありがとうございます

そう言った私にコクッと頷くと、また何処かに行ってしまった

―慣れてるよねぇ
と遥奈

―クラッときたんじゃないの?
と三瓶

―いや、タイプじゃないし…
と私

実際、特にタイプでもなかったし、何よりこうゆう場馴れしてそうな男性は興味はなかった


―飲む前にちょっとトイレ行ってくるね

《彼にメールだけは入れておこう》
そう思い、私はお手洗いに向かう

『たかし、もう寝てるかな?今は二次会中だよ 気になったからメールだけ… 久し振りだからもう少し話して、なるべく遅くならないように帰るね おやすみなさい』

―ごめんね、たまにだからいいよね…

そんな言い訳を心の中で呟きながらも、一軒目で飲んだお酒が少し回り、足取りは必ずしも普通ではなかった