エレベーターでホテルの最上階へ

静かすぎる通路から見えるドアは一つ

あまりの静かさに、本当にここで合っているのか心配になった

―ねぇ、何も目印ないよね

―ね、チャイム押して違ったら恥ずかしいよね

確かに、聞いたルームナンバー以外に何も確認する術がなかった

連れてきた責任もあったが、やはり酔いのせいで少しだけ感覚の麻痺していた私は、思い切ってチャイムを押した

暫くすると、静かにドアが開き、その隙間からは途端にザワつきや笑い声がドッと溢れ出した