「結局ユリと別れたのは
お互い嫌いになった訳じゃねーし
お前の中じゃ
納得しきれない部分もあっただろ?

それに今自分で思ってるより遥かに
当時のお前は傷付いてたし
トラウマにもなってるんだ。

卒業式にユリと話した時
本当はヨリを戻したい気持ちも
少なからずあっただろ?
あと付き合ってる間
ユリを守り切れなかった事も
お前の中じゃわだかまりとして残ってる。

自分ではもう終わったつもりで
いるかもしんねーけど
本当はそうじゃないのかもしれない」


カズマの真剣な言葉を受けて
愕然としてる俺に
今度はケンゴが追いうちをかける。


「もしリョウがまだそんな気持ちで
いるんやとしたら
ユリとやり直してみるって考えもアリやで。

こんな事いったらあかんかもしれんけど
リョウがさっき言った通り
西条とユウキの仲が固いんなら
報われない気持ちはキッパリ諦めて
違う相手に目を向けるって選択も出来る。

相手の気持ちもあるし
実際は言葉にするより簡単な事やないけど
これを機会によく考えてみろや。

――決めるのはお前やで」