笑いが収まった後はもちろん
潰れたパンやオニギリを食いつつ
俺は例の件を二人に話し出した。

昨日ユウキと会った事や
アキとケイの関係
俺がアキに言った事
ユリとの事
浩との事。

本当はここまで言うつもりはなかったのに
例の如くケンゴに脅されて
白状する形になった。


話終えたとたん
カズマは呆然とした顔で
倒れ込むように屋上の地面に
大の字になって寝転んだ。


「まさかあのキスに
そんな裏があったとは。

超複雑だ。
……複雑だけどユウキと間違えられたとか
ちょっと俺嬉しいかも」

「カズマお前
救いようのないアホやな。
……俺はケイの事が1番驚いたわ。
ってか、なんか感動や
あのケイの妹かい!!的な。
遺伝子ってあるんやなぁ。

西条ケイの事、
色々教えてくれへんやろか?」


珍しくミーハーっぽいケンゴの言葉に
少し驚かされながら


「な、俺もちょっと知りたいかも。
あいつらの情報
ありえないくらい出回ってないし
どんな奴らだったかとか知りたいよな。

……前にちょっとアキが言ってたんだけど
ケイが自殺したのも何か裏があるっぽい」

「マジか!
それはちょっと気になるなあ。

でもこういう事って
かなりプライベートな事やし
あんまり気軽には聞けんよな」

「ああ」


何となく二人しんみりしてると
ガバッとカズマが起き上がって
コロッケパンを頬張りながら言った。


「でさ、リョウ
何でお前はそんなにすさんで
西条にあんな暴言吐いたんだよ。
わざと嫌われるみたいなさ。

失恋のショックか?
それともユウキとの事
黙ってた西条にムカついたからか?」

「せやで。
考えようによってはラッキーやんか。
まだ付き合ってへんのやったら
入り込む隙めちゃめちゃあるやん」


黙り込んだ俺に
さらに畳み掛けるように


「しかもバンド入るのやっぱ抜ける
とか言い出したらどうすんだよ?
今までの苦労が水の泡だろうが」

「カズマの言った通りやわ。
どうせまた本能でつっぱしったんやろ。
後先何も考えんと」