今度はどんな風に追っ払おうかと
振り向いた途端
再び身体が固まった。


そこに立ってたのは
鬼のような形相をして
こっちを睨み付けてるケンゴ。


あれ?コイツ呼んだっけ?
てかなんでこんなに怒ってんだ?


見覚えもないのにかなりビビって
険しい表情を変えないまま一歩一歩
近づいてくるケンゴに身構えていると
奴はそのまま俺をスルーして進んだ後


「カズマ!!
お前俺をパシリにするとか
ええ度胸しとるやんけ!
いっぺん痛い目みんとわからんようやな?
ああ??」

「いや、そんなつもりは
毛頭ないんだけど」

「嘘つけや。
よくも“緊急事態!直ちに屋上へ来るべし。
ちなみに三人分の昼飯買ってこい!”
とか、なめたメール
授業中に送り付けて来れるな!
このボケェ!!」

「いや、だってさ、
腹も減っては戦はでき――」

「んなさっぶい言い訳なんか
聞きたくないんじゃ!!
ワレェ!!」


と輩口調で追い詰めると
手に持ってたパンやらオニギリやらを
腰が引けたように後ずさるカズマに向かって
勢いよく投げ付け出した。


「痛!いてーよケンゴ!
ちょっとマジ、止めろ!
食い物は大事にしようよ!」

「余計なお世話じゃ!
お前を殺った後全部食うから
心配せんとそのまま沈めや!!」


……何だこれ?
ってか、カズマここ来てすぐ
携帯いじってたけど
ケンゴにメール送ってた訳か。

しかもあんな内容。
命知らずだな。

でもケンゴも文句いいつつ
三人分ちゃんと買ってきてるし。