その時
4限の終了を知らせるチャイムが鳴り
何となく二人黙って
最後までその音を聞いた後

俺はカズマに向かい合う形で
地面に座り込んだ。


「マジでありがとう。
全然気付かなかった」

「リョウが真面目な顔して礼言うとか
超違和感。
そんなマジに取られると
こっちも困るんだけど。

だって昔みたいに
お前の事探しまわるのかったるいし
学校来なくなったらお袋さん泣くし?」

「…………」


今コイツが言った通り
アイツの声を探してた時
……あと今思えばユリの事が
影響したりもして

俺の精神状態はかなりおかしくなって
憂さをはらすかのように
学校以外の悪い奴らとつるんで
夜通し遊び回ったりとか
……まぁ他にも悪い事色々やらかして。


それを必死で止めてくれた
コイツがそう言うんだから
今の俺がかなりヤバイ状態だってのが
自分でもだんだんわかってきた。


「で、いったいどーした。
打ち上げの時は平気だったのに
昨日何かあったのか?」


わざと軽い口調で
聞いてくれてんだってのがわかるから
ぐちゃぐちゃになった頭の中を
整理するようにゆっくり話始めた。

きっと一人で考え込んでも
今の俺には
マイナスに働くばっかりだろうし。


「カズマ
聞いて驚け――、」

「ん〜、どした〜」

「――アキの好きな男は
お前の大好きなDown Setのユウキで
しかもユウキもアキが好き。

あとアキの兄貴はDeep Endの
ケイ ウォーレン。

で、俺は見事振られてむしゃくしゃして
さっき保健室でユリとやった。
――以上」


わざと要点だけにまとめて
一気にまくし立てると

カズマは目を見開いて
なおかつ口もポカンとあけて
どの部分に反応したかわかんないけど
(つーか全部か?)
今世紀最大の叫び声を上げた。


「はあぁぁぁ!!?
リョウてめぇ、今何つった?」