「いつかお前にも
自分のプライドも何もかも捨てて
全てをさらけ出せる相手が出来るといいな。
俺じゃ無理だったけどさ」

「いるのかしらそんな男。
リョウ!高校一緒だったわよね?
いい男いたら紹介してよね」

「やだよ。
そういう運命的な相手なら
ほっといたってよってくんだろ」

「そういえばそうよね」


――今更よりを戻すとか
そんな話はもちろんなくて

どうやら一年という年月は
微妙だった俺らの関係を
友情って形に変えてくれたらしい。


『世紀の大恋愛』って訳じゃねーけど
あの時の俺らの思いは嘘じゃねーし
この先も忘れることはないと思う。


そういった意味でも
ユリは今でも俺にとって
どこか特別で大事な女だ――。