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日曜の夜だからか
身動きが出来ないほど混雑した電車から
誰よりも早く降り、改札に走る。

時間を確認すると約束の時間の5分前。

焦った感情を落ち着かせながら
待ち合わせの場所に付き辺りを見回した。


駅の回りはさらに凄い数の人がごった返し
俺のように連れを待ってるっぽい人の姿が
かなり多く目に留まる。


……今日何かあるのか?

この辺はそこまで栄えたエリアでもないし
付近でイベントか何かあんじゃねーか?


記憶をたどりながら
あたりをゆっくりと歩くと
前方から聞き慣れた声。


「だからしつこいって!
待ち合わせだっていってるじゃん」

「そんな遅れてくる奴なんか
ほっときゃいーじゃん」

「そーそー
俺らとの方がぜってー楽しいし。
何でもおごるからさ」


……俺もアイツも大概学習能力ねえな。
こんな人込みで待ち合わせたら
こうなるのは目に見えてる。


急いでそちらに足を向け
見るからにチャラそうな二人組に囲まれた
アキに声をかけた。


「アキてめぇ
あのメールは何なんだよ。
脅迫とかいい度胸してんじゃねーかよ!」

「リョウ!?」

「あ?てめえ誰だよ」


チャラ男達は獲物を取られまいと
いきなり現れた俺に対しガンつけて威嚇。

でも俺はそいつらをまるっきりシカトし
驚いてこちらを振り返ったアキに向かって
さらに言葉を続けた。