「リョウは?
その時夢中にならなかったの?」

「普通にテレビで試合見たりはするけど
そこまではまったりはしなかったな。
今は暇なとき仲間と
フットサルやったりするレベル」

「ホント?
私も出来るよサッカー」

「マジで?
お前とサッカーって言うか
スポーツって全然つながらないから
想像できねーんだけど」

「サラリと酷いこと言ったね今。
小さいころ
周りの人がみんなサッカー好きで
そのうちはまったりしてた」

「へーえ、じゃあ今度一緒に
フットサルやろうぜ。
……って俺
何こんな話してんだよ!」


のん気にフリートークしてる場合じゃ
ねえってーの!

これも全部カズマのせいだ。
アイツがサッカーユニなんか
持ってくるのが悪い。


いきなり大声を上げた俺に対し
アキはキョトンとした表情をして
俺の方に椅子を回転させた。


そんな彼女の顔をまっすぐに見ながら
少し深呼吸をして
当たり前のようにサラリと告げる。


「アキ、お前今日
俺らとステージ出るから」