簡単に説明するとこうだ。

俺がバイクでアキの所へ向かった後
ユリは楽屋に駆け込んで
カズマ達に俺の伝言を伝えた。

楽屋にはDeFautのメンバーも
全員そこにいて
話の流れで
今までのいきさつを彼等に説明したらしい。

すると目をキラキラさせた松さんが


「そういう事なら
僕らと順番変えてくれるように
店長にお願いしてくるよ!」


と止める暇もなく
楽屋から飛び出して行ったそうだ。

凄ぇ松さんらしい。


でも俺の個人的な問題で
DeFautや店の人達に
迷惑をかけるわけにはいかない。

その話を聞いた俺は
すぐに松さんの元へ走り
断ろうと口を開こうとした。

するとそれより先に


「僕は何と言われても
順番を直すつもりはないよ。
だってコンディションの悪い
君達の演奏なんて聞きたくないもの。
これはただの僕のワガママだ。

リョウ君には悪いけど
問答無用で従ってもらうよ」


と強い口調で言うと
鼻歌を歌いながら
ステージに向かってしまった。


――しばらくその場に立ちすくむ俺。

松さんの言葉に感動したのは
勿論なんだけど

それだけじゃなくて
両肩にのしかかってきた
プレッシャーのせい?


でもこれは勝手な行動をとった
俺の責任であり

ぶっちゃけ
松さんの申し出はありがたかったから

これからもDeFautのメンバーには
頭があがらねぇ気分で
松さんの広い背中に向かって
「感謝します!」と
大声を上げたのだった。


松さんかっこよすぎっす!!