PM6:36

COUNT ZERO付近


会場の外に出るとあたりはもう真っ暗で
目立つのは点々と置かれた街灯
ライブハウスの看板
そして道路を挟んだ所にある
カフェの店内から漏れる明かり。


俺は勢いよく階段を駆け下りたその足で
ガードレールに座りタバコを取り出す。

分厚い雲に包まれた夜空に向かって
ゆっくりと煙を吐き出すと

ほんの少しだけ
心に余裕が生まれたような?
……たいして変わらないような。


会場へ続く階段へ
何人か人が出入りしてるものの
当然アイツの姿はない。

雨がまだ降ってないのが唯一の救いだ。


二本目のタバコに手を伸ばそうとしたとき
誰かに腕を引かれた。


「リョウ!待った!?」