「あっ今日のボーカルは
ケイタ君なんだね」

「本当だ、嬉しいな。
さっきちょうど君の
噂してたとこなんだよ」


ドラムの谷さんと
ベースの西さんの注目を浴び
ケイタが少し焦りながら


「ええっ!?噂ってなんすか?
聞くのちょっと怖いんですけど」

「君らのバンドのボーカル正式に
決まったのかなって心配しててさ、
それならまたケイタ君の歌聞きたいなって
3人で話してたんだよ」

「……ありがとう、ゴザイマス」


松さんのストレートな言葉に
顔を赤くして俯くケイタ。

……かわいいなコイツ。


っていうかDeFautの皆様最高すぎ!
この人たちは
ホントに凄い人達なんだって!!

やってる音楽は変態で
超いっちゃってるのに
普段はめちゃめちゃいい兄さん達で
そのギャップに俺はやられまくりなんだ。


だって素顔は20代半ばの温和な男達が
(しかもかなりふくよかで
メタボ体型な感じで)
一度ステージにあがると
音の可能性を極限まで表現する
ロックスターに変身するなんてさ!

こんな魔法みたいな事ありえないだろ?


もし俺がレコード会社のエライ奴なら
真っ先にこの人達と契約するのにな。

こんな小さいステージで
終わる人達じゃないんだっつーの。
全く見る目なさすぎだろ!