勝手に話を進めて納得する俺に
始めは抵抗しつつも
最後は「しょーがねえな」と
引き受けてくれた。

実はコイツ
見た目はちゃらちゃらしてっけど
中身はすげえ友情に熱い男で、
しかも女にやさしいし
浩に頼んどけば間違いない。

マジで感謝!


自分の尻拭いぐらい自分でしろとか
固いことはい言いっこなしで。


「でもリョウらしくねーな。
いつもなら適当に付き合ってんじゃん」

「あぁ、もうフラフラ遊ぶの
止めようと思って。
だから合コンとか誘うのなしな」

「は!?マジかよ。
お前からそんな言葉が出て来るとは。
変なもの食った?
熱あるとか?

それとも
リョウの仮面被ったケンゴか!?」


そんなマジマジと人の顔
見ないで欲しいんですけど。


「つーか顔近!
わーったよ。
本当の事言うからもっと離れろって
頼むから」


そう悲鳴をあげながら
サッカー部でよく日に焼けた浩の顔を
右手で押さえて引きはがす。


男に顔近づけられても
うれしくも何ともねーし。

……ってこういう思考回路から
もっと直してかねえと。


なんてくだらない事考えながら
浩と向かい合い


「ちょっと恋をしまして。
しばらくはそいつ以外は
眼中にないっつーか」


俺の告白に対し
浩はありえないほど大声で


「恋!!お前が!?
嘘だろ?
何だよ、彼女出来たとか!?」

「てめえ声でけえよ。
片想いだよ、わりぃーか!」

「はあ!?
片思いだとー!?」

「だから浩、顔近いって!!
離れろーー!」


そうだ。
コイツはホントに熱い男だった。