耳から首筋へ次々と口付け
そのたびに反応が返され
その行為に夢中になる。


……マジで止まんねえかも。


再び唇にキスをして
シャツのボタンに手をかけた時

アキが驚いたように身体を震わせ
両手で強く俺の胸を押した。


「どーした?」


やさしい口調で聞き覗き込むと
シャツの胸元を押さえながら
焦った表情で


「どーしたじゃないよ!
リョウ、ペース早いし
こんなの私じゃないっ!

抵抗する間もなく
流されてる感じがして

……キ、キスの仕方とか
やっぱりリョウ慣れてるし。
騙されてるのかもとか」


段々と声を小さくして俯く。


実際慣れてるから
否定は出来ないんだけど。

でも――


「――アキ
俺今から凄い恥ずかしい事言うけど
黙って聞いとけよ」


アキは控え目ながらも素直に頷く。


「キス一つで
こんなにドキドキすんのも
いつも笑ってて欲しいって思うのも
アキ、お前だけだ。
――お前しかいらない」


……こんなセリフ
マジで恥ずかしくて思わず顔が赤くなる。

言葉で口説いたりって
全然したことないんだよ。

何度も言うようだけど
黙ってたって周りが寄ってくんだって。