「少しか」

「リョウ、何だか不満そうだね」


楽しそうにクスクスと笑う
まだ余裕がありそうな態度がむかつく。


「そりゃ不満だろ。
こっちはかなり好きなのに」

「えっ!?」

「何いきなり真っ赤になってんの?
さっきも似たような事言った……って、
あぁちゃんとはまだか」


俺は顔を赤らめるアキを真っすぐに見て


「アキ
――お前が好きだ。

俺の側にいろよ」


……ホントはずっとそう思ってたけど
俺のつまんねー意地で
自分の気持ちごまかしてたんだ。


固まったまま
ますます真っ赤になる彼女の頬を
両方の手で押さえる。

柔らかな肌と心地良い熱。