「俺はお前が心配で仕方ない。

その強がってるけど脆いとこも
無茶ばっかして素直じゃない性格も
壁作って人をよせつけないとこも
それに、抱えてる過去も

全部心配で
お前が泣いてんじゃねえかとか考えたら
いてもたってもいらんねぇし。

今回真希に呼び出されたのは俺のせいだし
本当にお前の事を思うなら
距離を置くのが正解なんだろうけど

自分勝手だけど、それよりも
すぐそばでお前の事守りたいって思う。

男に守られるなんて
お前が嫌がるのは知ってるけど
俺がそうしたいんだよ。

って何顔赤くしてんだよ?」


俺の問いかけに
慌てて両方の頬を掌で押さえるアキ。


「だって急にそんな事言うから。
何でいきなり」

「お前は何でだと思う?」


ニヤリと笑って問い掛ける。


「なんか、口説いてるみたい」

「そう思うなら
そうなんじゃねーの?」


それに対して途端に不機嫌な顔。


「……何だよ」

「リョウばっかり余裕そうで嫌」

「余裕なんか全然ねえよ」


現に心臓
めちゃめちゃドキドキしてるっつーの。

今少しでも触られたらやばいから
試させること出来ねえけど。


アキはかわらず赤い顔をして俺を睨む。


「嘘ばっかり。
女の子口説くの慣れてるでしょ?」