アキの声が段々と小さくなったのは
俺の表情が険しくなっていったから。


……そーゆーことか。


「ん?リョウどーしたの?」


もしかしたら俺やバンドの事で
悩ませちまって
それで学校休んだり寝不足だったり
倒れたりしたと思ってた。

それは全部間違いで
俺の思い込みだった。

アホだな。
自意識過剰ってやつ?

でもそのせいか
ここ暫くはこいつの事ばっかり
頭の中占めてた。

――そう“俺の方”が
こいつの事考えてばっかなんだよ。


「リョウ、おーい?」


いきなり黙り込んだ俺を心配して
覗き込んできたアキに

俺はフッと一瞬笑って
喧嘩を売るような
試すような視線を投げかけた。


「アキ、よーく聞けよ」

「な、何?」

「やっぱりお前俺の側にいろ」

「えっ!?」


途中全部すっ飛ばして
結論だけ言った俺の言葉に
アキは慌てたような様子。