窓のすぐ側に紙が何枚か床にちらばって
その上に香水のボトルが
重しがわりに置いてあった。

そのうちの一枚を手に取ると
見えたのは書きかけのメロディ。

近くに鉛筆が転がってるのみると
書いたのは最近……もしかして昨日とか?


倒れるほど疲れてるんだから
んな事の前に寝ろ!とか
間違っても俺は言えない。

他の事差し置いても夢中になって
ベースひいたり
曲作ったりとか
そうゆう経験俺には何度もあるから。


こいつが男だったらよかったのにと
ふと頭をよぎった。

そしたらめちゃめちゃ
仲良くなった気がすんのに。
こんな風に同じ世界を見れて
過ごせる奴はそんなにいない。

なのにこいつは女だから
余計な感情が生まれてきて困るんだ。


俺はギターを抱え窓のところに座り込み
アキを起こさないよう小さな音で
楽譜に書かれたメロディを紡ぎ始めた。


――そのうちに時間も忘れ
カタンと物音がして我にかえる。