「まだ若いから仕方ないかもしれないけど
どうせフラフラと
軽い付き合いしてたんでしょ?
でもね遊ぶなりにも責任を持ちなさい。

自分が軽い気持ちでいるからって
相手もそうだとは限らないのよ。
影で泣いてる女の子も居るって事
忘れないで。

恋愛は人を魅力的にしたり強くもするけど
……時に狂わせたりもする。

別にあんたが女の子に恨まれて
刺されたりしたって
私は全然かまわないけど

いつかあんたが本気で好きになった子が
その対象になったりもするの。
その時後悔しても手遅れなんだからね」


やさしく諭すような話し方だけど
彼女の言葉は
俺の心にずしりと突き刺さった。


その時アキのまぶたがピクピク動き
「ん……」と声を上げる。


「そろそろ彼女起きるかしらね。
起きたらタクシー呼ぶから
送ってやんなさい。

あんたの担任には
うまいこと言っとくから」


こいつが生徒に人気あるの
すげえわかった気がする。


「色々サンキュー」


ぶっきらぼうに俺が言うと
彼女は立ち上がって偉そうに腕を組み


「あんたも、恋の相談があったら
いつでもここに来なさい」


とからかうような口調で言い
にっこりと笑った。