女らしい見た目とは違い
かなりさばけた性格に
思わず笑いがこみ上げる。


「ふーん、なるほどね」


そう言って口元に手を当て
短いスカートから伸びた細い足を組み替え
俺の方をジロジロ見る女。


「なんだよ?
っつーか見えそう、スカートの中」

「うっさい
見たら停学にするからね」

「ははっ、ほんとめちゃくちゃだなお前。
おもしれえ」


大きな声を上げて笑うと
斉藤センセーは俺を見てため息を付いた。


「いったいどんな野郎かと思ってたら
まあ無理もないわね」

「だから、さっきから何の話だよ?」

「いい?
これから大事な話するから
しっかり聞いときなさい!」


意味わかんねぇとか思いながらも
大きな目でギロリと睨まれ
何となく口を閉じる。


「あのね、ホントに多いのよ
あんたのこと相談に来る女子生徒。
一年〜三年まで、それはもう幅広く。

だからいったいどんな奴だろうって
ずっと思ってた訳、
きっとナルシストで最悪の女たらしだろう
とか、実は思ってたりしたんだけど。

……で、今こうして実際会って
少しだけど話してみて思ったわけ。
ああ、これは納得だわって」


……なんて返していいか
わかんねぇんだけど。

顔を固める俺に向かって更に続ける。


「着崩した制服に、茶色い無造作ヘアー
その整った顔、程よく高い身長
これだけでももてる要素はばっちりだけど
おまけにその性格。

軽くてノリがよくて?
でもどことなくやさしい感じ?

妙な色気っていうかフェロモンも出てるし
男の癖に……。

普通に接するだけで
勝手に向こうが好きになっちゃうタイプね。
何もしなくっても
周りがよってくるでしょ?」

「……否定はしないけど」

「そうよ
変な嘘ついたら張り倒すから」

「マジでやりそう」


引きつる俺を見て勝ち誇った表情。