その後は二人で古着屋を巡ったり
アクセサリーを見て回ったり。


ショーケースに並んだボディピアスを
アキはその大きな目で
眺めていたかと思ったら


「そういえばリョウって
ピアス開けてないよね?」

「おぅ。意外?」

「うん、だってチャラチャラしてるから」

「てめェ、ずいぶん言うじゃねえか」


冗談っぽく怒って
彼女の頭を掴みグラグラ揺らす!

そのたび両耳のビアスが揺れる。


「アキは二個か?
開けてんの」

「んーん、
あと軟骨にモウイッコ」


と左耳を俺に見せる。

形のいい耳の上の方に
透明の石の付いたキラキラと光るピアス。


「俺も開けてぇとか思うけどさ、
針系の痛みが苦手でさ。
喧嘩で殴られたりとかは
全然平気なんだけど。

……って笑ってんなよ」

「ごめんごめん。
だって超意外。
普段は俺に怖い物なんかないってくらい
強気だから。

開けてあげよっか?
私上手いよ」

「いらね」

「男だったら片方に一個とか
カッコイイと思うよ。
穴拡張してゴツイのも出来るし」


想像して顔をしかめる。


「痛そうだからマジで勘弁!
そんなにしたいなら自分のでやれ」

「女だと、
そんなハードなの似合わないからさ」


そう言った時の彼女の表情と話し方に
ふとある憶測が頭に浮かぶ。


「実は男に
生まれたかったとか?」

「何でわかるの?」

「前にも言ったろ?
俺にはお前の考えてる事がわかる
特殊機能が備わってるって」


最近は
これが全然役に立たないってことが
判明したけど。