映画が終わり
約1時間半、彼の人生を体感した俺は

客席が明るくなっても
色んな感情が溢れ
席から立ち上がれなくなってしまった。


何でいつまでも生きててほしい人こそ
早くに死んでしまうんだろう。

“音楽の神に選ばれた者”
ともいうべきか

凄い才能を持ちながらも
若くして命を落とした多くのロックスター。

ニックだけじゃなく
ケイ ウォーレンもそのうちの一人。


彼等は魂を歌にのせるから
その強烈な魂の力に
肉体がついていけないのか

なんておかしな事、頭に浮かんだり。


――すぐ影響されて
めちゃめちゃ単純だなって
自分でも思うけど

とりあえず確実に言えるのは、
俺は今ここで死んだら
後悔だらけだって事だ。

俺はまだ何も成し遂げてない。


……こいつの歌声の横で
ステージに立ってない。


だからやっぱり“今”こいつの声を
諦めるわけにはいかないんだ。