そうして始まった“T.I.M.E”。


ここで描かれた“INSIDE OUT”のボーカル
ニック バーンズの人生は
まさにロックンロールの王道。

タバコ酒ドラッグ女まみれで
はっきりいって正気のさたじゃないし
見本になんかするもんじゃない。

でもこうやって
未だに英雄のように語られてるのは
彼が選ばれた者だったから。


物語は生前の彼のライブ映像や
インタビューの合間に
バンドメンバーや
友人達のコメントを交えながら進行する。


彼の生い立ちからバンド結成まで
物語は次々と進み
フィルムから彼の人生を共にたどる。


INSIDE OUTのギターのジョンは


『奴は仕事仲間としては最高でもあり
最低でもある両極端。

ライブに遅刻はしょっちゅうだし
途中で編曲はするし
いつもヒヤヒヤ物だった。

頭にもきたし、
怒鳴りつけたい時もあったけど
ひとたび奴がステージにあがって歌ったら
どうでも良くなってしまうんだ。
全部許してしまう。

観客も彼をすごく求めてた。
あの存在感は驚異だったね。
奴の後ろでやっちまったから
もう他では出来ないよ』


と淋しそうに笑う。


そしてライブ後のニックのインタビュー。
ビール片手に少しイッた目つきで


『人生なんて一度きりだから
俺は自分の好きなように生きてるだけだ。
我慢なんてクソ食らえだな。

だから俺は歌と酒があって女とやれれば
他は何もいらねぇ!』