エレベーターを待ってる間に一つ提案。


「じゃあさ、アキ。
雰囲気出るように手でも繋ぐ?」

「それはいい」

「なんだそりゃ。
いきなり手の平返すな」


少し拍子ぬけして
隣に立つアキを見ると何故か赤い顔。

もしかして恥ずかしいとか?


エレベーターが到着して扉が開いたので
乗り込むついでに結構強引に
隣で揺れる掌を掴んだら

振り払ったりはしないで
アキはさらに顔を赤くして俯き
ギュっと少し力を込めて握り返してきた。

あまりのその照れっぷりに
密室のエレベーター内は
いつにない甘い空気が広った。


繋いだ右掌から身体が熱くなるのを感じ、
無意識に視線を泳がせた。


今日のアキの服装は
黒のショート丈のジャケットに
シャイニーブルーのインナー
カーゴっぽいミニスカに
茶色のエンジニアブーツを履いて
髪はハーフアップにまとめ
アクセは少しロックテイストでキメてる。

はっきりいってめちゃめちゃかわいい。


いつにないほど高鳴る心臓に
なんか今日の俺ヤバイかも

とか危惧しながら
マンションをあとにした。