「いいっすか?

西条先輩、
アニキの前じゃ素出しまくりで
いつもと性格180度違うけど
すげぇ楽しそうに笑ってるし。

でアニキも普段は西条先輩に
言葉キツイ事言って
しょっちゅう怒らしてるけど

影ですげぇフォローしてるし
見たことないくらい
優しい目して西条先輩見てるし」


……は?
なんだそれ。

そんなの一度も思った事ないんだけど。


妙に気恥ずかしくなって
「ウソつけ」って
タケをどつこうとしたけど

俺の顔をまっすぐ見る奴の目は
「ウソなんかついたことありません」
ってくらい澄んでたから
何も言えなくなった。


「……そっか付き合ってないんだ」


近くにいるのに
俺にほとんど聞こえないくらい
小さな声でそう言ったタケは

さっきまでとは違う
大人びた表情を見せた。


「アニキ、俺思うんすけどね」

「ん、何?」


タバコを口にくわえたままそう返事をし
タケにも勧めると
「俺はイイッス」と答え
さらに言葉を続ける。