天気は今日も快晴。

フェンスの奥に見える校庭では
野球部の練習風景が見え
彼らの掛け声が屋上まで響く。


俺達はフェンスを背に
屋上のコンクリートの床に直接座りこんだ。


今日もかっちり赤い髪を立てたタケは、
少し緊張した顔で俺が話し出すのを
待ってるみたいだった。


「そんなにびびんなよ。
何もしねーし」

「え!?そうなんっすか?
俺邪魔しちゃったし、
怒ってるものとばっかり」

「どんだけ心せまいんだよ。
ただ口止めしときたくて。
あれは何でもないからさ」

「もちろん、最初から
誰にも言うつもりないっすから。
……って何でもないって
どうゆうことっすか?」

「あぁ、西条とは
そんな関係じゃないからさ」

「ほんとっすか?
みんな言ってますよ付き合ってるって。
一年の間じゃ、
理想のカップルとか言われてるし」

「なんだそりゃ……」


あまりの見る目のなさに苦笑い。

俺らの間に
いつそんな甘い空気が流れたっていうんだ。


「アニキと西条先輩、
一年でもめちゃくちゃ人気ありますけど、
二人が一緒にいるとこ見て
みんな諦めたって言ってましたよ」

「あぁ、ケンゴもなんか似たような事
言ってたな。
さっぱり意味わかんねぇし」


ポケットからタバコを取り出して
何気なく言った俺の言葉に
タケは大きな目をさらに広げて俺を見た。


「は?もしやアニキ
気付いてないとか??」

「何が」