だから


「なぁ西条、今週の日曜日暇?」


いきなり俺がそう言うと

床に直接ペタンと座って
スカートから出たひざ小僧を
ジッと見てた西条は
顔を上げて不思議そうに瞬きをした。


「……え?何で?」

「いーから
暇かって聞いてんだよ」

「別に予定ないけど」

「じゃあさ、デートしようぜ」


ニッと笑いかけると
途端に西条は拒絶の態度。


「えぇ!?やだよ」

「やだとかいってんじゃねえよ。
ほらこの前さ映画見ようって
約束したじゃん」

「……うん」

「まさか社交辞令だったとか?」

「……ちがうけど」

「じゃあ決まりな。
1時にお前ん家迎えに行くから」


見るからに“どうしよう”って書いてある
彼女の顔に向かって人差し指をむけ
「逃げんじゃねーぞ!」と念をおすと

引きつったような笑いをしながら
西条はコクンっと頷いた。