「なんか…。
岬が白川に魔法かけたみたいだな!」


ニッと笑いながらこっちを見てきた。


『魔法』……か。


「…そんな空想的なこと、
金石の口から出るなんてね。」


「ははっ!
確かに俺らしくねぇな。

だけど、これはすごいよ。
俺にも『魔法』かけてみてよ。」


ははは、と冗談っぽく笑った。


それに、あたしは「今度な」って返したけど…。


『魔法』……。


そういう解釈もあるのか。


…どうも嘘っぽいんだが。


今まで『科学で証明されたもの』を信じてきたせいか、


空想的で実体のないものはイマイチ信じがたいな。


信じざるを得ない…
そんなことになりそうな予感がするけどね…。