あたしの驚いた顔を見たらしく、
向こうの方から金石が寄ってきた。


水華を見るなり、
小声で、


「おい、こいつどうしたんだよ?

白川が休み時間中に勉強するなんて、奇跡だぞ。

天変地異の前触れか?」


そこまで言うか。


まぁ……。
確かに『奇跡』レベルの出来事だけど。


「分からない…。
急にやりだしたの。」


"あたしが呟いたら"


「えっ?
岬がなんか言ったら、急に?」


「うん…。
大したこと言ってないはずなんだが。」


そう、あたし、大したこと言ってない。