あたしは良壱に抱きついた。 このまま、眠れたら。 今更、逃げの考えも浮かぶ。 長い時間、良壱に抱きついていた。 何も言わずに。 バイクの音が遠くから聞こえた。 その音と共に、あたしは良壱から離れた。 良壱は顔を近づけて、静かに口づけをした。 「大丈夫だ。」 「うん。」 ドアから出る。 同時に、あたしは切り替えた。