何をしたいのか。

何を話したいのか。

何を聞きたいのか。

あたしは聞いた。

「…良壱は、鈴の下の奴にあたしが付いたって言って、信じなかった?」

目の前の良壱があたしを見据える。

見据えるというより、見つめてる。

「信じなかった。」

「どうして?あたし、チーム抜けるって言ったのに。」

良壱は靴を履いている自分の足元に視線を向けた。

そうしたら、溜め息をついた。

「何?」

「これ、返せっつってなかったから。」

チャリンとポケットから何かを見せた。

…ーー鍵だ。