「…なんだろ?」

あたしは本気で悩んだ。

良壱はフッと笑うと、早く行ってこい、と言った。

「良壱も一緒に来て。」

…今日はあたしは何かにとりつかれている日なのかもしれない。

なんでか、口が突拍子もないことを言う。

「…あぁ。」

ポケットに突っ込み煙草を取り出そうとしたらしい手を、出してあたしの横に並ぶ。

…あたし、何がしたいんだろう?

「階段ダッシュ大会でもやる?6階までだけど。」

「断る。」

即答されて、エレベーターに乗り込む。